メンバー::L谷内、宮坂
南アルプスの中でもひときわ奥深く簡単には近づけなかった赤石と荒川にようやく立つことができました。入下山口の異なる長期縦走は休みの関係で難しく、以前からあたためていた小渋川コースを候補にあげるが、広河原からの長い尾根の往復もはばかられ支流の福川右俣を登路としての周回コースを選定し渓歩き〜沢登り〜縦走と満喫してきました。
8月16日 晴れ
AM4時茅野発‐松川IC下車‐大鹿村‐5:45林道終点の湯折駐車。大河原から小渋川沿いにつけられた林道は砂防工事進行中のためしっかり整備されていたが、けっこう細くて対向車があると大変そうな道であった。湯折のゲート前には5〜6台の駐車スペースあり。5:55発。七釜橋から先、板屋沢出合付近までつけられた林道を歩き6;40終点。フェルト靴に履き替え6:50入渓。深い所で股下ぐらいの渡渉を何度か繰り返し7:23立派な滝を落とす高山沢出合。ここまでは両岸岩壁帯が続き高巻きは困難な感じで増水時には要注意な箇所であった。ここから先河原は開けてのんびり渓歩きという感じで8:28福川出合着。想定よりも短時間で小渋川が処理でき一安心。福川に入りたいくつな河原歩き〜大岩ゴロゴロのっこしを経て10時二股着。右俣は小滝で出合いゴルジュ状に狭まりいくつかの小滝を連続させている。登山大系のずいぶん端折った記述とは異なりそこそこ快適な沢登りとなる。標高2000mぐらいで雪渓現われ水流は右手に曲がり左手には大きなガレの押し出しあり。我々は当然水流どおしと思い込み侵入し、そこそこの滝が次々と現れ喜んで処理していくうちにどうも方向がおかしく、このまま行くと大沢岳側の岩壁帯にぶちあたりそうと判断し途中から左手へ高巻き〜トラバースを開始し最終的に雪渓から伸びてた大ガレの枝に合流し(おそらくここに旧登山道があったと思われる)足元の不安定な登りにくいガレ〜草つきをゼーゼーハーハ―直登し大したやぶ漕ぎなく14時稜線縦走路に飛び出、14:18百間洞露営地着。正規ルートを行ってたら早くつきすぎて面白みに欠けたネなどとうそぶきながら気持ちの良いテンバで午後の一時〜夕餉を楽しむ。
8月17日 快晴〜午後から雷雨
AM3時起床‐4時発。6:22永年の懸案であった赤石岳3120m山頂着。遠くに槍の穂先も見渡せる好天のもと大休止し山座同定を楽しむ。小赤石を越え長い下りで大聖寺平を経て8:30荒川小屋着。真正面に富士山が鎮座する気持ちの良いテンバに設営後、もう一つの目標たる荒川岳(悪沢岳3141m)ピストンにむけ9時出発。中岳までのトラバースルートは斜面一帯お花畑の連続で感激。しかし昨今の鹿対策でこんな高所にまで防御柵が張り巡らされているのには驚かされた。10:25中岳小屋。11:20悪沢岳。雲が出はじめ残念ながら眺望は得られず。遠くでゴロゴロし始めたこともあり往路を駆け戻り13:18テンバ帰着。調度のタイミングで雷雨始まりかなりの降りとなる。夕立ですんでくれればよかったのだが気象通報では大気の状態不安定で夜半まで続くと。明日の小渋の水量が気がかりである。最悪、旧道のあった小渋川左岸の高巻き〜トラバースやぶこぎ下山も検討しながらシュラフに入るがなかなか寝付けず。10時頃には雨やみ、12時頃には星空出てくれ一安心。
赤石岳山頂にて イワギキョウ
トモエシオガマ 荒川東岳山頂にて
8月18日 うすぐもり
AM3時起床‐4:25発。4:55大聖寺平。中ア、北アも遠望できる。トラバース気味に下った後は尾根通しによく踏まれた道を急下降し7時広河原小屋。心配していた水量は入山日とほとんど変わりなく一安心。フェルト靴に履き替え7:30入渓。余裕をもって渡渉を楽しみ8:55林道出合。9:52湯折駐車場帰着。下界はあいかわらずの猛暑であった。