メンバー::小野木
2年前に東南アジア最高峰キナバル山4095m へ登ってから密かに、次はキリマンジャロと思っていました。
それがこの春休みの期間に、航空券が安く手に入り行き当たりばったりの現地調達で登ってきましたので、ご報告致します。
使ったツアー会社は、「NYANGE ADVENTUERS」というところ、費用はおよそ1500ドルと決して安い物ではありませんでしたが、満足のいくところでした。
3月26日 マチャメゲート1800m 〜 マチャメキャンプ 2835m
初日午前9時にホテルまで迎えに来てもらい全員集合、登山口のマチャメゲートまで1時間ぐらいをマイクロバスで走りました。
すぐに出発出来るのかと思っていてもなかなか出発しません。結局、スタートは12時でした。
今日の行程は約4時間半ぐらいで、うっそうとした樹林帯の中をゆっくりゆっくり、スワヒリ語でポレポレと言いながら歩きます。
そんな中をポーター達は20kg 以上はあろうかと思われる荷物を持って颯爽と抜いていきます。なかには、パイプ椅子のようなものを担いでいるポーターもいます。こちらは自分の身の回りの品々しか持っていないのに。
やっとこさ、と言う感じで本日のキャンプ地マチャメキャンプに到着、午後4時半ぐらいでした。
もうすでに我々のテントは設営されていて、びっくりすることに洗面器一杯のお湯が出てきました。これで足や顔を洗えというもの、食事も何もしないで待っていれば、おいしい食事が出てきました。まさに大名になった気分。
これはちょっと大変な登山になったぞ、と思いました。
【コースタイム】
マチャメゲート 12:00〜16:30 マチャメキャンプ
本日のテントです。ずっと同じテントに泊まりました。 マチャメキャンプの看板
ティータイムとしてポップコーンがでました。 この食堂テントで食事をします。
3月27日 マチャメキャンプ 2835m 〜シラキャンプ 3750m
今日の行程は3時間ぐらいと聞いて、意気揚々と我々は出発しました。
このキリマンジャロ登山は、日々の行程毎に植生が変わりすごく興味深いものがありました。
まだ植物の背丈は高く、花々も咲いています。でもちょっと今はオフシーズンなのか、花も少なく人もすくないなあと感じました。
道ばたに咲いている花の名前を教えてもらうのですが、まったく覚えていないことに気づきます。ガイドをしている身としては、親切で花の名前を教えてあげるのですが、あんまり意味の無いことだと分かりました。本当に興味があれば、帰国してからもその花のなをしらべるでしょう、そう言うのよりももっと違う視点でガイドをした方がよいと思います。
3時間と聞いていたのに、実際には4時間ぐらいかかり本日のキャンプ地シラキャンプに到着。これはあまり早く着きすぎると、ポーター達が用意が出来ていないためわざとゆっくりと休憩を取りすぎるようにして行ったためと思います。
このキャンプ地、富士山山頂とほぼ同じ高さ。このキャンプ地が全行程で一番景色が良かったように思います。
それに食事、豆ご飯とビーフストロガノフが出てきました。この味はすばらしい、感動です。富士山頂と同じ高さで、この食事が出てくるかっと言うのが感動の要因です。
すばらしいの一言。
【コースタイム】
マチャメキャンプ 8:00 〜 12:00 シラキャンプ
食事の初めはいつもフルーツが。 到着が早かったので昼食はホットサンド
本日のキャンプ地はこんな感じです。 夕食はビーフストロガノフと豆ご飯、感動
3月28日 シラキャンプ3750m〜ラバタワー4600m 〜 バランコキャンプ3900m
この日は高所順応日のような一日。
シラキャンプをでてから一旦4600m のラバタワーまで上がり、4000m 以上を経験してから3900m まで降りるというもの。
行動時間は6時間ぐらい、今日からだんだんと行動時間が延びてきます。そうやって体を慣らしていくのでしょうね。5900m ともなると簡単ではないということを実感します。
富士山頂を越えてくると、もう植物はなくなりました。荒涼とした月の表面か砂漠を印象づけられるような、土と岩のそんな景色になります。
標高も上がってくると寒くなってくるし、この山、風がないなぁと思っていたのですがそれなりの風の吹き方でした。
キャンプ地へ午後2時頃に到着。早く着いたので2時間ぐらい昼寝をしていたら、これがいけなかった、ちょっと頭痛がし出したんです。後で聞いた話ですが、こういう時って寝たら駄目だそうで起きていないといけないらしく、でももう後の祭り。やばいと思いガイドに話すと薬をくれ、翌朝には直っていました。これでどうやら高所順応出来たように思います。
【コースタイム】
シラキャンプ 8:00 〜 12:00 ラバタワー 12:20 〜 14:00 バランコキャンプ
こんな感じのところを行きます。 後ろに見えるのはメルー山4600m
ラバタワー4600m これがラバタワーと呼ばれる岩山。
本日のキャンプ地 バランコキャンプ
3月29日 バランコキャンプ 3900m 〜 バラフキャンプ 4673m
今日で4日目、だんだんと山にも慣れてきました。
この日のルートは、標高4,000m 前後をアップダウンを繰り返しながら、最終キャンプのバラフキャンプへと向かいます。4,000m を超えて荒涼とした草木の1本もないような風景で、高度を感じさせてくれました。
途中、ここが最後の水場だと教えられボトルに水を汲みますが、ポーターたちは炊飯用に水を担いでいくそうです。感謝感謝。
最終キャンプへの最後ののぼりを登っていると、上から日本人の女の子が下りてきました。今朝山頂へ登ってきたとか、景色が素晴らしかったと二言三言立ち話をして別れましたが、その女の子は日本語を話せる現地ガイドを連れていました。リッチだなぁ。
最終キャンプまできて初めて外輪山が見えました。まるで壁です。明日あれを登るのかと思うと、果たして登れるかと思うぐらいのレベル。
いつもより早めに夕食を取った後、ガイドと明日のことを念入りに打ち合わせします。服装や装備のことなど。普段と違うので、いよいよアタックかと緊張感が増しました。
と、起きれば雪ぃぃ、ええって感じでどうなったことか・・・。
【コースタイム】
バランコキャンプ 8:00 〜 11:50 カランガキャンプ 12:40 〜 15:00 バラフキャンプ
4000m ぐらいで休憩。 右遠望はメルー山 4600m
こんな景色を歩きました。 最終キャンプのバラフキャンプ 4673m
3月30日 バラフキャンプ 4763m 〜 山頂5895m 〜ハイキャンプ 3950m
いよいよ山頂アタックです。標高差1200m。
午前0時に起床、かるく食事をすまし午前1時から登りだしました。
この時点で天気は吹雪で、キャンプ地で1,2cm ぐらい積もっていました。でもそんなに寒くもなく風も強くなく、個人的には2月の天狗岳の方が大変だわって思いながら、ルンルン気分で登っていきました。
昨日見たあの壁のような外輪山にとりついているのかと、真っ暗で良かったと思っていました。先行する別パーテイのヘッドランプがいくつも見えます。たぶん我々のパーティが一番後ろだったでしょう。
雪は午前2時半ぐらいには止み星が見えだしましたが、とにかく遅い。この標高ではこういう歩き方なのかと思いますが、とにかく遅い。でも標高5000m ぐらいから空気が薄いのを実感、この歩き方で正解なのだと思いました。
途中で夜が明けてしまい、這う這うの体で午前9時アフリカ大陸最高峰 ウフルピークの
5895m に到着しました。やったぜ、みんなで抱きあって喜びました。実に8時間かかりました。ちょっと時間かかりすぎと思わなくもありませんが、よかったよかった。
下りはあっという間の2時間半ぐらいで下山。途中までポーターが迎えに来てくれ、オレンジジュースを1杯、これはうれしかったですよね。
お昼前に下山、ところが今日はこれで終わりではないのです。
この最終キャンプは水がなく、しかも標高4600m以上にあるので少し降りないといけないのです。11時間行動してきて、また3時間とは。テントにぶっ倒れました。
【コースタイム】
バラフキャンプ 1:00 〜 9:00 山頂 9:20 〜 12:00 バラフキャンプ 14:30 〜 17:00 ハイキャンプ
途中で夜が明けました、午前6時半ごろ マエンジ峰をバックに
こんな感じで高度を稼ぎました ウフルピーク山頂 5895m
あと数年でなくなると言われている氷河 山頂から少し降りたところ
3月31日 ハイキャンプ 3950m 〜 ムエカゲート 1640m
いよいよ最終日、下山です。
昨日は合計14時間も行動していたのに疲れはそんなになく食欲旺盛、すっきりと目覚め朝食も十分に食べられました。
出発する前にガイドたちが、踊りを踊ってくれました。ほかのパーティでもやっていたので、キリマンジャロ登頂おめでとうって言うものだと思います。英語で説明を受けましたが、はっきりとわかりませんでした。英語力があればなぁと改めて実感です。
ここから3時間ほどでゲートまで行けるため、ポーターたちも表情が明るいですね。
我々もやっと下山できるという安心と、登ってきたぜっていう充実感とが入り混じっていたように思いました。
この後ゲートで出してくれたビールのうまかったこと。
こうしてキリマンジャロ登山は、無事に終わりました。
【コースタイム】
ハイキャンプ 8:00 〜 11:00 ムエカゲート
最終日の朝、ポーターたちと ムエカゲートまで下りてきました。
キリマンジャロビール、うまかったですよ